[A] |
|
漁師は薄い塩水の氷締めが多いようです。海の魚みたいに野締めとか血抜きはしません。ハラワタを抜くことも決してしません。ハラワタを抜くと卸す時に商品にならないそうです。水に入れてある氷の塊は買ってきたままの大きな板氷では使いません。船上で揺れると塊がビワマスをゴツンゴツンと叩いて身崩れさせてしまいます。板氷は小さめに砕いて使用します。直ぐに締める、即死させる、半殺しにしない、身をぶつけて痛めない、きっちり芯まで冷やすのがポイントです。もし処理の方法が拙くてビワマスの体表が白くふやけてしまったとか、下ろしたときに腹骨が身から浮いて剥がれていたとか、身割れしていた場合は刺身や人に上げるのは諦めましょう。自宅で食べる場合で自宅で下すとワタやアラなどの生ゴミが大量に出で女房が怒り出すとかの場合は、船上で処理して持って帰ります。イカの沖漬けならぬビワマスの沖下ろしですな。この場合切り口の身から水が染み込むのでジブロックやビニール袋に入れて保管します。あるいは大きいクーラーの底に板氷をびっちり敷いた上にスノコを掛けて、湿らした新聞紙か布でくるんで保管するか、氷水に漬けて保管する場合は口をしっかり閉じた袋に入れて水が漏れてこないように保管します。キープするのもリリースするのも直ちに行動するべきです。生簀にたくさん溜めて自己満足に浸ってからまとめてするのでは、ビマワスが半殺しあるいは見た目元気でもストレスがたっぷりかかっていてどんどん品質が落ちていきます。リリースするのもボロボロに弱ってから放つよりも、直ぐに元気なうちに解放するのが釣師の一分だと思います。 |