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湖水の澄み具合と考えます。ツノは金属と異なって透光性のある素材のため光を通すことによって水中でゴーストな独特のシルエットを描いています。これがツノの武器だと思います。この武器を最大限に活かすシチュエーションが湖水の透明度だと考えます。湖に濁りが入って澄み具合が悪いとゴーストの効果が発揮できないです。もともとツノが盛んに使われたのは中禅寺湖と聞いています。あの山上湖の澄んだ湖水に差し込む太陽光を透かしたツノのシルエットは、弱々しいワカサギに見えるのでしょうか。こんなこというと中禅寺湖のどこが澄んでいるのかと疑問に思われるかもしれませんが、1980年代頃まではコッフェルにすくってそのまま飲めるくらい綺麗でした。初めて中禅寺湖に行ってボートから赤いスプーンをキャストしてリーリングしたときのことは今でも覚えています。赤いスプーンが水中をボートに向かってくるのがはっきり見えるのです。もろ見えで全く釣れる気がしませんでした。またあるワンドで湖底にきらりと光る何かを見つけてルアーを5メートルくらい沈めてトレブルフックに引っ掛けて引き上げたら、ハンドメイドのミノーに60センチぐらいのブラウンの死骸が付いていました。引き上げる時に湖底の倒木や落ち葉がはっきりと見えていました。こんな水道水みたいな湖では半透明なツノでないと見切られてしまうのかもしれなかったのでしょうか。当時聞いたトローリングの定石は時速4キロ10色出してツノを松ヶ崎から大尻に向かって曳くことでした。さて話を戻してツノの使い方ですが、湖水が澄んでいてできれば晴れていた場合にツノの透明度で濃・中・淡と仕訳したツノを使い、どの濃度が今のコンディションに合っているのかを探るとよいと思います。 |