FAQ 60
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天然素材の高価なスプーンでないとビワマスは釣れないのか? |
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市販の金属スプーンで十分に釣れます。J屋のワゴンのバーゲンスプーンで60オーバー釣ったこともあります。もちろん何でも釣れるとは言いませんが、最も実績がある金属スプーンはバッセルでした。トピーやチヌークも釣れました。この往年の銘器に銀箔シートや夜光貝シートとかを貼るとヘボいツノよりもよっぽど釣れました。ビワマスは値札を見ていませんので何がビワマスから見てバイトするほど魅力的なのかを考えれば、そこに値段の要素は必須の要素ではないと思います。貝や角の天然素材が金属に勝るとすれば独特の反射と透け具合だと思います。金属より天然素材の方がよく釣れるというシチュエーションは確かあると思いますが、それをもってして天然素材のスプーンでないと釣れないとはならないと考えます。それでもルアーを買い揃えたり作ったりするのはお金も時間もかかりそうだから、琵琶湖のトローリングは敷居が高いと思っている人がいるかもしれません。一つの提案をします。琵琶湖では試していませんが、芦ノ湖ではヒメマスを始めにニジマスでも実績があります。それは生き餌、ミミズです。近くに畑とかある人は採取すればタダですし、環境によっては庭の隅で野菜くずとかを餌にして飼うこともできます。庭で飼う場合はモグラが天敵なので、レンガやブロックで生簀を囲っておく必要があります。デカイミミズが良いです。ドバミミズが最高級品だと思います。もちろん普通のミミズでも釣れますが、概して大きいのが良いようです。ただし活きが良いことです。死んでいるミミズは効果が低いです。最近では釣具屋に行けば箱に入った養殖ミミズを販売しています。飼育しない人は釣行前に釣具屋でミミズを購入します。仕掛けはドジャーです。ドジャーをタナに通す手法は何でもいいです。レッドコアラインでもダウンリガーでもただのテンビン仕掛けでも結構です。ドジャーからはハリス45センチ付きマス鉤を一本結びます。釣具屋に行けばハリス付き鉤は安く売っています。キモはミミズの付け方です。ミミズ通し「ミミズくん」を使用します。ミミズくんをハチマキの下から頭に向かって貫き、針先端の穴に鉤をセットしてミミズをハリス側にしこしここき上げます。ミミズは尻尾をハサミでカットします。このカットされたミミズの全長の半分から3分の1ぐらいがミミズの中にハリスが通っている状態にします。ミミズは一直線になります。この状態だと魚がミミズのどこをバイトしてもかなりいい具合に鉤が口に滑り込みフッキングしやすくなります。ミミズ通しはもともと郡上の職業釣師が編み出した秘具です。昔は針金で自作していたそうでプロ漁師から頼んで分けてもらったそうです。ただ5匹釣るのは素人、同じサイズを5本釣るのがプロというそうです。旅館に卸していたのでお客の皿によってアマゴのサイズがばらばらだとお金を取る料理にならないわけです。プロを目指しているのであればビワマスだって同じだと思います。さてカットした尻尾から黄色い汁を出しながらミミズはのたうち回ります。この黄色い汁を黄汁(キジル)と言って、ここからミミズのことをキジとも言います。この黄汁のくさい臭いが魚を寄せます。ドジャーの光と音、そしてミミズの臭いで魚を寄せるので下手なルアーより強力です。ヒメトロでフックにサシを付ける場合、サシを半潰しにするのがコツですが理屈は同じです。ついでに余談ですが餌用のウジのことをサシというのは、もともとサバを腐らせて湧いて出てくる虫から鯖虫、略してサシとなったそうです。というわけで誰か琵琶湖で餌のトローリングにチャレンジしてみてください。しかしもしミミズで爆釣なんてなったら、ルアーメーカーや釣具店から恨まれるかもしれませんな。 |
ワゴンで処分売りされていたパチモンスプーンで釣れた62センチのビワマス