第1話 ようこそ秘密の花園へ |
(06.24-25,2006)
途中で道を間違えて深夜に田舎道と住宅地をさまようことになって、しかもカーナビの地図か古過ぎて案内にならず、集合時間の朝4時にフィッシングガイドのROSCOさんと、船着場で会えないのではないかと心配したが、動物的勘のお陰か闇夜に輝く高速道路の緑看板を見つけたときには、これでたどり着けるとほっとした。 |
初めて釣ったここのビワマス。 歴史的な40センチだ。 サイズは小振りかもしれないが、しかし腹の太さと体高の高さは日ごろ見慣れている虹鱒たちとはえらい違いだった。 ヒレピンの銀ピカいったいこれだけの鱒が日本にどれだけ居るであろうか? |
この後もぽつぽつ釣れるのだが、いつもと違うそうだ。 このぽつぽつでも釣師朗には爆釣に近いレベルだ。 平均サイズが40ちょいでピンシャンばかりだが、ROSCOさんはこんなものには用がないようでもっとでかいのを狙っている。 昨日の雨で濁りが入ったのかなぁ、ルアーが見えていないのかなぁとのROSCOさんの独り言を聞いた釣師朗は、直ぐにドジャーをワンサイズアップにチェンジしてタナを沈めていった。 するとヒットが増えだしていった。 明らかに作戦成功だ。 ROSCOさんもドジャーをチェンジして沈めていったところ、ヒットが格段に増えだした。 そしてとうとう8時30分に明らかに今までとは違う強烈なアタリが、ROSCOさんの竿を根元から一気に曲げた。 思いっ切りアクセルあわせを食らわせて、完全にフッキングに成功。 事前の注意事項でドラグはきつめに設定の意味がよく分かった。 この大物の硬い顎を撃ち抜く強烈なアクセルあわせを成功させるには、ドラグが気安く滑ると貫通力が落ちてしまうからダメなのだ。 釣師朗は午後にうっかりドラグ設定をいつもの強さにしてしまった時にヒットがあったが、ヒットと同時にGiiiiと鳴ってアクセルあわせでもGiiiiと鳴ってその後もGiiii、Giiiiと鳴りっ放しだったので、遂に来たか!60オーバーと色めき立ったがただの45センチだった。 45センチ級で鳴るようではここではドラグ設定が緩いのだ。 さてROSCOさんが竿を手にとってからダイナミックなファイトが始まった。 なんかメチャ重いネットで釣師朗が掬ったのだが、今までとは一回り以上もでかい魚体をした55センチの大物だった。 正直凄いと思った。 体高があるし腹も太いので実寸よりも大きく見える。 鈎は太くてごついし魚は暴れるので、鈎外しにはプライヤーが必需品だ。 フライなんかで使うお洒落なものではダメだ。 極端な話海で使うクニペックスぐらいでも良いんじゃないかと思った。 どうやら今日のこの琵琶湖は目立って何ぼのコンディションなのかもしれない。 最終的にKまでやったがコンスタントに釣れた。 ルアーは変えなかった。 ヒット速度は4kph前後だった。 朝一はまだビワマスたちは寝ていたようだ。 その内小物がぽつぽつとヒットしだしていたが、8時過ぎから食いが立ちだし、各船からヒット・コール、ダブル・ヒットコールが飛び交った。 釣れ出すとまとまって釣れることと、釣れてる最中のサイズはほとんど同じことから、ここのビワマスは同じサイズが群れて回って来る習性なのではないかとふと思った。 お昼前には釣師朗は1ダースは釣った。 芦ノ湖だと定数に達したかもしれない。 あんまり釣れるから途中から数を数えるのが面倒くさくなったからだ。 ただGPSのマーキングだけはしていた。 生簀のビワマスの内何匹かが弱ったり死んでいたので、一旦上がって休憩することにした。 遊漁でキャッチ・アンド・リリースなんて戯言は信じていないが、無益な殺生はしない主義なので元気な10匹ほどを水に返してやった。 弱ったり死んでいるのは、ROSCOさんが操船している傍らでどんどん船上で捌いていった。 きっちり食させていただくわけだ。 たしか10本を捌いた。 |
午前中だけで軽くこのサイズが20だった ため、生簀の中で弱ったものだけを捌い た。 元気なビワマスたちは全てリリースし た。 「余して獲る」が主義。 |
小物ですが、何か?こんな小物は本当 に珍しかった。 最初ヒメマスか?と思っ たが、この湖には生息していないらしい。 アベレイジサイズは40センチ強てとこ だ。 |
船着場に戻ると全員がそれぞれ1ダースほど釣っていた。 それもピンシャンの55を頭に40から45センチ級のビワマスばかりだ。 陸に上がった12時過ぎでこの夢のような釣果だ。 この後午後の部が丸々あるわけだが、一体何本まで釣れるのであろうかとマジで思った。 しかも訊けば匹数制限も無ければ入漁料も無いし、ボートも暗くなるまでに帰って来てくらいのトロ屋にとってはパラダイスみたいな所だ。 冷たいビールを飲みながらこの琵琶湖のことや独特の仕掛けのことを、ROSCOさんやS氏よりいろいろ教えてもらった。 昨日から一睡もしていないので昼寝をした。 いつもはビールの苦味が身にしみるのだが、今日のビールは甘かった。 目が覚めてから船着場の前の木陰で涼んでみたが、とても贅沢な気分を味わえた。 これは高いお金を掛けてアラスカだとかカナダのフィッシング・リゾートなんて行く必要もないなと思った。 日本もまだ捨てたモンじゃないね。 北海道の別の湖でも今年は桜鱒が絶好調らしい。 まだまだ釣師朗たちが知らないパラダイス・レイクがあるのかもしれない。 |
午後は薄曇で切れ間から太陽がのぞいていた。 ここのビワマスの習性は魚探を見ているとどうやら水深20メートルとか30メートルの深場を回遊しているが、不思議なことにヒットするのはもっとぜんぜん浅いタナである。 いつもやっている関東の湖だと遊泳層に合わせて仕掛けを流す水平の釣法が定石だが、この琵琶湖ではとても深い遊泳層から上の仕掛けまで飛び付かせる垂直の釣法のようだ。 茶鱒のミノーイングに似ているのか? 昨日の雨で濁りが入っていて、日が差して深いところに落ちている鱒を飛び付かせるのには、目立って何ぼとなるはずだ。 そうなるとドジャーではなくて釣師朗の秘密兵器フラッシャーの投入とひらめいた。 フラッシャーを常用兵器として配備しているのは、日本広しといえども釣師朗を含めて数人だと思う。 たぶんここのビワマスたちはこの琵琶湖創世からの数万年間で初めて見る漁具だろう。 ビワマスたちにとって今日は歴史的な日になるはずだ。 フラッシャーは初めて手に入れた時から苦労が続いた。 買ったまんまではまず使えないからだ。 それをあぁでもないこうでもないと何度も仕掛けを作り直したりフラッシャー自体を改造したりして、やっと使えるように成ったと思えるレベルに成った。 またフラッシャーが無理なく曳ける竿もどうにか2、3年前に入手できた。 因みにそれは新製品として間もなかったのだが、メーカーのカタログから今年は落ちていた。 こんな剛竿を使うトロ屋がぜんぜん居なくて商売にならなかったのだろう。 午後はフラッシャー一本で行くことにした。 今までは釣りの合間に実験モードでフラッシャーを使用していたが、今回は初の実戦モードとなった。 |
ファイティング中のhayasiさん。 GPS・ディプスファインダー・電子湖沼図・無線機・帯電話をフル装備したハイテク船だ。 フラッシャーを引っ張っていてもこの程度しか曲がらないこの剛竿を、ここの大物たちは根元まで曲げてくれる。 それも最後までだ。曲がり放しで竿冥利に尽きる。 |
午後はhayasiさんと同船することになった。 ROSCOさんは釣師朗のガイドが終わったので、午後は独りで60オーバー狙いに没頭したいとのことだった。 釣師朗はもう本数は要らないので、hayasiさんと50未満は即リリースの約束を決めた。 ポイントは午前中と同じエリアを流した。 ツノを使ったが日が高いのかぽつぽつ釣れているが、みんなリリースサイズだ。 いいとこ45センチくらいか。 数は十分釣ったのでいろいろルアーを試してみた。 夜光も金属スプーンもそれなりにれる。 釣れなくなってくると適当にルアーをローテーションしていくと、またぱたぱた釣れだす。 管釣りみたいなところがあるみたいだ。 ただ45以上は釣れない。 やはりこっから上はツノでないとダメなのかもしれない。 ところがhayasiさんの曳くドジャーと釣師朗のフラッシャーでは明らかにヒット率が違う。 釣師朗の方がコンスタントにヒットし続けている。 あんまり釣れないのでhayasiさんが仕掛けを上げてみると、何とラインだけだった。 さっきのアタリで仕掛けがぶっ千切られたようだ。 釣師朗はこんなことが有ろうかと、午前中はドジャーに2.5号を使用していたので切られることはなかったが、ハリスは1回取り込みごとに指の腹で丹念にキズや撚れがないことを確認してから、水に入れるようにした。 なんせ引っ張っているルアーが高価な上、当りルアーは入手困難なので、貧乏な釣師朗は切られるわけにはいかないからだ。 で仕掛けを作り直してhayasiさんが再開したが、やはりフラッシャーの方がよく釣れる。 このころになると神経が麻痺しているのか、45センチ程度のピンシャン鱒を水に放り込むことに何の抵抗感も感じなくなってきた。 このままでは関東の湖に戻ってから社会復帰ができないかもしれない。 芦ノ湖で45センチの桜を釣っても自動的に水に放り込んでしまうかもしれないからだ。 ヒットは続くが大物も出ない反面、不思議なことに30センチ台の小物も出ない。ただ一回だけ生きの良い小物がヒットしたが、ヒメマスと見間違うほどそっくりな魚体だった。 そんな取り込み特訓が5時ごろまで続いた。 暗くなるのは7時ごろだが5時になってだんだん日が傾きだしてきた。 少しずつ魚が大きくなってきているような気がした。 5時40分葛篭尾の沖で大ヒットした。 偶然にもフラッシャー用に流用しているこの竿は、買ってから現在まで竿先以外の部分が曲がったことが一度もない、伝説の「曲がらずの竿」といわれている。 この剛竿が根元近くまで曲がるのを見た。 アクセルあわせで思いっ切り曳き抜いてどうだ!?と竿を見ると、もうROSCOさんが言うところの正に曲がったまんまで戻らない状態だった。 遂に来たか!と思って竿に飛びつくと、重いし引く。 Iなのにこの剛竿なのに手元にビンビンと強い引きを感じている。 さすがの釣師朗もこれは50は絶対にあると確信した。 鈎は磯釣りでも使える太軸の伊勢尼なので伸ばされることはありえないし、ケプラートなのでルアーが破壊されない限り大丈夫なのだが、ハリスが2.5号なのでそう簡単には切れなと思うが、ドラグを慎重に設定し直した。 ラインは水に深く刺さった状態で終始やり取りさせられた。 トップガイドにリーダーが入るまでも苦労したが、入ってからはさらに抵抗が激しくなった。 そう簡単には寄ってくれないのだ。 フラッシャーが垂直に立って水面を切りながら走っている。 サメの背びれのようだ。 こんなの見たことがない。 大抵はフラッシャーに引きずられて波乗り状態で上がって来るのだが、こいつはパワーがそもそも違うようだ。 水中にぎらっと太い銀色の光が走った。 これは間違いなく50オーバーはあると思った瞬間、ネットを持ったhayasiさんが「背中が茶色い、鯉!?」なんて腰砕けなことを言った。 釣師朗はすかさず「ブラウンだ!!」と叫んだら、「そんなバカな!」と言い返された。 もう一度反転した時に魚体がギラッと見えて、やはり鱒であることが確認できてほっとした。 ここまで来て野鯉なんてやってられませんよ。 hayasiさんが何とかどっこいしょと無事すくい上げてくれた。 遠目で掬ったので結構重かったそうな。 それをネットごと釣師朗の足元にドスンと置くと、どたんばたんと跳ねまくるのを押さえ付けてメジャーを当てると、56センチであった。 50オーバーは過去に何回か別の湖でも釣っているが、銀ピカでその縦横太さの迫力は別物だと思った。 ぜんぜん太いし重いのだ。成魚放流のでかいだけの丸びれ鱒とは比較にならない。 ボートの中は今日釣り上げたビワマスの鱗が飛び散って一杯だ。 後で船着場に上がったら全員の靴が鱗だらけだった。 むかし銀山でそのボートがどれだけ釣ったかは、桟橋に戻ってきたボートの床の鱗の量で分かるとか言われたことがあるが、このボートのウロコ散乱を見たら何本獲ったか分かるだろうかと思った。 |
一発目の50オーバーのビワマス 56cm |
こんな凄いマスが釣れてしまうから恐ろしい。 この湖でのお約束の仕掛けできっちり釣れた。曲がった竿が最後まで戻らなかったのが印象的だった。 ここでのドラグ設定はきつ目だ。 |
後1時間半ぐらいできるだろう。 ただルアーは裏表とも噛みキズだらけだし、黒い鈎は塗料が剥げて地金がむき出しになり、チモトの糸も擦り切れてしまっている。 当たりルアーは代えたくないので、別のルアーから鈎を取って交換した。 こんなことは初めてである。 4kphIのままで夕日の中引き続ける。 丸一日やってこの琵琶湖の釣り方が少し分かりだしたため、もうクインクインのアタリでは一々アクセルあわせはしないで放置しておいた。 乗らない方がありがたいのだが、乗ってしまうと巻き上げながらばれることを期待した。 もちろんこんな釣りは初めてだ。 6時20分再びドッカァァァンと釣師朗の剛竿が曲がったまま止まった。 2本とも夕日に向かっての曳きの最中だった。 何か関係があるのであろうか?で揚がったのは53センチのビワマスだった。 これも期待を裏切らない引きの強さと魚体の美しさだった。 釣師朗はハットトリックを目指して続行した。 ファイトの興奮冷めやらぬ20分後にまたしてもドッカァァァンと釣師朗の竿が大アタリした。 連荘50オーバーかと思ってせっせっと巻いていったら最後まで力強く曳いてくれたけれど、それは44センチだった。 引きの強さだけであったらさっきの50オーバーたちと変わらなかったけど。 夕マズメになって活性が上がったのであろうか。 本日はこれで帰港することとなった。 船着場に到着したら暗くなる直前だった。今日は50オーバー3本を頭に各人2ダースは釣った。 これは管釣りの話ではない。 本数は釣れ過ぎなので一々数えていない。 次回からは「何箱水揚げした」で表した方が良いかもしれないな。 大きい魚を釣り慣れてくると全長のセンチではなくて重さのキロで測りたくなる釣師も多いが、ここまで釣れると全部で何キロ獲ったと言わないと話が追いつかないだろう。 |
二発目の50オーバーのビワマス 53cm |
太陽に向かって撃て!じゃないけれど、逆光曳きで釣れた53センチだ。 このクラスになると取り込んだネットごとボートの床に置くと、ドスンと音がするから改めて重量感を感じられる。 曲がったことがない釣師朗のヘビーアクションの竿が曲がり放しだった。 |
近くの宿に泊まった。 地元のS社長は仕事があってか遅くに帰路に着いた。 夕食は細長い地魚のすき焼きみたいな鍋料理を食べた。 B級グルマンの釣師朗でも、この鍋料理は食べたことも見たこともない。 これに釣ったビワマスの切り身を余興でシャブシャブして食べると、これまたメチャ美味いことを発見した。 やはり地方の旅は楽しい。 この後は部屋に戻って三人で12時までルアー談義に花が咲いたのは言うまでもないいつものお約束だ。 今日の釣りを振り返ってみると、朝マズメより朝ニくらいと夕マズメが総じて活性も高く、50オーバーが釣れた時間帯だ。 また50オーバーはGPSの軌跡を自宅で見てみると、水深60メートルラインのちょい沖に限定されていた。 魚探の反応も20メートル以深で頻繁に大きい群が見られた。かなり魚影は濃いみたいだ。 そもそもこの琵琶湖でビワマスを釣る人間なんて皆無らしい。 だから情報も無いし釣り方も地元には全然知られていないようだ。 釣師朗たちの道具を見たら、黒船を見た江戸の町人くらい驚くだろう。 翌日はhayasiさんとともに8時に出船した。 ポイントは昨日と同じエリアである。 今日は昨日と変わって小雨がぱらつく無風の天気だ。 常識で考えればぱらつく雨は都合が良いのだが、魚探の反応はぜんぜん悪く昨日あれだけ居た群がほとんど見当たらなかった。 昨日のヒットパターンのフラッシャーIでとりあえず流してみた。 hayasiさんはドジャーIで取り掛かった。 ROSCOさんは釣師朗たちよりずっと沖を流している。 釣師朗たちは葛篭尾から大崎を流したがぱっとしなかった。 コースはちょい岸寄りだが、水深で40メートルラインくらいか。 9時20分海津大崎の手前で釣師朗の剛竿が突然思いっ切り引き込まれた。 アクセルあわせで乗ったのを確かめてから竿に両手を掛けると、あまりにも引きが強くてホルダーから竿を抜くのに苦労した。 手に取れば昨日の56センチと同等かそれ以上の強烈な手応えで、期待が否が応でも高まる。 途中何度かドラグが滑りながらやり取りをしたが、Eの途中でばれてしまった。 突然軽くなった時の落胆は大きかった。 こいつは姿だけでも見たかったと思った。 2、3本アベレージサイズを揚げたところで、ROSCOさんより6本獲ったよとの連絡が飛び込んできた。 何か違んでないかい? これって昨日よりずっと沖に群が出たんじゃないかと思い直し、ROSCOさんのようにコースをずっと沖に転回した。 するとやはり沖に出ているようでパタパタ当り出した。 GPSのベストタイムは10時から12時と算出されており、まさにこれからだった。 ツノでもう十分に釣ったので、釣れるはずと思って持ち続けていたが、釣れたことがない自信?のルアーを使ってみようと思った。 その一つがツインブレードスプーンである。 S、M、Lとサイズがあるが実はLLの特大サイズもある。 ツインブレード自体がもう既に販売されていないだろうの絶滅希種であるが、往年の名器で今までたくさん釣らせてもらった有名なルアーの一つである。 デザインが古臭いのとパッケージが安っぽいので、肝心の人間が釣られないからほとんど売れず釣具店から絶滅したものと思われる。 そう言う釣師朗もLLがあることも知らず見たこともなかったが、数年前に親切な人にネットで教えてもらってその存在を知った。 しかもこれにちょっと手を加えたものが、中禅寺では知る人ぞ知る必釣ルアーだそうだ。 当然釣師朗はそれがまだ在庫で残っている地方の釣具店を教えてもらって、電話で取り寄せたのである。オンラインショッピングでもなければFAX注文でも代引きでもない昔ながらのお取り寄せ方法、電話で在庫を確認して注文して現金書留で送金してから商品が届くスタイルだ。 そしてこれに改造を施してやっと完成した思い入れのルアーなのだが、関東三大湖で使って一度も釣れたことがない。 その後度重なるタックルボックス内のルアー・リストラにも、実績ゼロでありながら思いが重く現在までスタメンとなっていた。 そのツインブレードのゴールドを思いを込めて投げ入れた。 風は吹いたり止んだりの繰り返しだ。 今日のパターンは昨日とはころりと変わっていた。 さらに沖に出なくてはならないことは分かったが、後で聞いた話で、風の有る無しで棚が倍近く変わってたそうだ。 しかも通常の逆パターンだったらしい。 10時20分大崎のずっと沖目でついにこのルアーでドカァァァンとヒットした。 ギリギリ寄せてくるとピンピンの51センチだった。 サイズは今回の中で最小の50台ではあるが、このルアーで釣ったことがとても嬉しかった。 これだけまとめて釣ったお陰で一つ面白いことが分かった。 Iの彼方でヒットして強烈な引きでも45センチ級以下は、残りCくらいで失速気味とまでは言わないがパワーダウンが感じられるが、50センチ超クラスは船縁までパーワーが落ちない。 つまり残りCでも引きに変わりがなかったら、それは気合入れて最後の取り込みに入れのシグナルなんだな。 さあここまできたらもう一丁使いたいルアーがあるからやってみた。 高価なリアルミノーのリップレス。 釣れたことがない。 しかしこの仕掛けだと、泳がぬリップレス・ミノーを泳がせるてぐらいいい仕事してますねぇ。 群から外れたベイトが逃げ惑いながら群れに付いていく様を見事に演じている。これは他の湖でも使えるぞ。 帰ったら芦ノ湖とかで試してみようと密かに思った。 この仕掛けで50には達しなかったが45センチ級が直ぐに数本釣れた。 帰りの時間があるので12時ジャストに沖上がりとした。 岸に上がってさっきの51センチを捌いたところ、腹を取ってエラまで取っても魚体がバタンバダンとまな板の上で跳ねていたのには驚いた。 胃の中を切って見てみると、黄色みかかった茶色の塊が出てきたので突き崩してみると、ヨコエビの塊だった。 ベイトは入っていなかった。 で不思議に思ったのだが、ヨコエビて岸だと湖底の小石の裏なんかに隠れている小さな甲 殻類なのだが、釣れたところが水深60メートル以上だとすると、ビワマスは湖底まで潜って小石をひっくり返してヨコエビをちまちま食べているのか? そんなビワマスおらへんやろぉ。(こだま風) しかしこの腹一杯のヨコエビは何を意味するのか? もしかして沖の深い水中ではヨコエビは、水中でオキアミみたいな大量の塊となって漂っているのか? そこへビワマスたちが突っ込んでヨコエビを腹いっぱい食い漁っているのか不思議だ。 結局4時間足らずで今日も1ダースは軽く釣ってしまった。 こんなに釣れる湖は初めてだ。 次回は本数ではなくて60オーバー1本狙いをしてみたい。 |
会心の51cmのビワマス |
昔からこの往年の名器の金属ルアーで釣りたかったので、してやったりだ。 だいたいこのルアーでしか釣れないて最近の商魂が気に入らないね。 ルアー釣りて「こんなもんで魚が釣れんのか!?」が原点だと思っているから。 じゃなかったら最初から生エサ使えばいいじゃんと思っている。 |
51cmのビワマス |
この仕掛けで初めての湖で一日半で50オーバーのピンシャン・銀ピカを3本揚げた。 でも実はそれ以上の強烈なヒットもこの仕掛けで最低2本は有ったのだ。 実に惜しまれる。 けだし、逃がした魚は大きいか? これが必釣の道具、フラッシャー、日本では屈斜路湖ぐらいか、使ってんのは。 |