ビワマス釣り 100+の疑問

FAQ 20



[Q]


 魚群探知機で反応がないのに釣れるのはなぜか?



[A]


探知範囲である円錐の中にビワマスが入っていなかったからです。魚群探知機は使用する周波数によって、この探知範囲の円錐の角度(捜査角度)が異なります。50キロヘルツで約50度、200キロヘルツで約15度です。これが実際どの程度の範囲でものが見えているのかと三角関数で計算すると、捜査角度が50度(50kHz)の魚群探知機の場合、水深20メートルで直径27メートル、水深30メートルで直径40メートルの広い範囲で見ています。また捜査角度が15度(200kHz)の魚群探知機の場合、水深20メートルで直径7メートル、水深30メートルで直径10メートルの狭い範囲でしか見ていません。50キロヘルツの広範囲で探知して反応が出たとしても、それが幅広い円錐の中の前後左右のどこかまでは分かりません。ただ水深何メートルのところに反応があるとだけ分かります。次に200キロヘルツの狭い範囲に絞り込めれば、よりボートの真下近くにいると詰め寄ることができますが、世の中そんなに甘くはありません。バスみたいにストラクチャーに付いているような魚はそれが通用するかもしれませんが、回遊魚のビワマスでこんなことやっても群を補足することは並大抵ではないです。しかもレッドコアラインは通常100ヤード前後繰り出しているため、この円錐の中にルアーが入っていることはあり得ません。ボートの真下で探知したその群がボートと同じ方向に移動していて、ボートが群を追い抜くことでルアーがビワマスの鼻先に入ってヒットとなるシチュエーションであれば、魚群探知機に反応し数分後にヒットという絵に描いたようなレイクトローリングになります。実際そういうシチュエーションも少なくはないですが、多くは反応がないのに突然豪快にヒットが多いです。これは単に円錐の中にビワマスを捕えられなかったことが原因です。ボートが通り過ぎた後に、レッドコアラインの先のルアーがビワマスとコンタクトしたことであり、そもそもビワマスは自由に回遊しているし、ボートも定規で引いたように直線で航行しているわけでもないため、ビワマスとの遭遇は偶然の采配に依るところもあるわけですが、またこれがレッドコアラインの面白いところでもあります。一方ダウンリガーはリリーサーからのルアーまでの長さが通常10メートルぐらいなので、広角の50キロヘルツを使用するとルアーを円錐の中に入れることができます。この場合は魚群探知機に反応が出た場合は、ルアーのすぐ近くにビワマスがいることなのでヒットの確率がずっと高くなります。またキャノンボール(錘)が魚群探知機のモニターに横一直線で現れるように、トランデューサーなりダウンリガーのマウントの位置を調整します。軽いキャノンボールを使用しているトローラーは、水流でキャノンボールが後ろに押し流され、正確なタナに入っていないことがよくあります。魚群探知機でキャノンボールの位置を正確に調整します。ダウンリガーでは反応があってからヒットすることが多いですが、反応がなくてもヒットすることもあります。ビワマスがボートの後ろから追いついてバイトしたとイマジネイトしています。また20メートル以深であればリリーサーから5メートルと短くルアーを流せば、200キロヘルツの狭い円錐の中にルアーが入ります。反応が出たら即ヒットの可能性が高いです。逆に反応が出るのにヒットしないのは、ルアーが間違っているとかこのタナのビワマスはやる気がないとか別の原因をイマジネイトします。魚群探知機とはThinkingする道具でもあるのです。