[A] |
|
有れば楽しいし有益ですが、無くても釣れます。魚群探知機というと、全方位で魚群を見つけ出してそこに急行して釣るみたいなことを想像している人は少なくないですが、たぶんテレビ特番の大間のマグロ漁の影響かもしれません。大間のマグロ漁ではたしかに全方位型のソナーを使用して、正面何時の方向距離なんぼでマグロの前方に一早く回り込んで釣るようですが、通常の魚群探知機はボートの真下を円錐形の範囲で、超音波が跳ね返ってくる反応をビジュアル化しています。したがってこれから進むボートの前方がどうなっているかは分からないです。今見ている反応は今のボート真下から、ボート後方のかつての状況の連続記録です。ではなぜこんな不自由な魚群探知機を使用しているのかというと、次のような複数の目的のために使っています。ビワマス釣りの定石テクニックの一つに「等深線曳き」がありますが、全員が全員湖沼図をインストールしているわけではないです。たとえば等深線70メートルに沿って曳く場合、漁具探知機の水深計をじっと見ていて、72メートルとか67メートルとかになったらコースを外れたと判定してコース修正をします。移動中や曳いている最中にへの字の反応が偶然出た場合、その水深がいくらか、どの水深に多く出ているか、上はいくらで下はいくらの水深幅がいくらか、への字は散開しているか密集しているかの様々な情報を取ってタナの分析材料の一つにします。への字ではない反応もよく出ます。水平に長く細い線はサーモクライン(水温躍層)に漂うゴミだったり、電信柱のような棒はウグイの群だったり、水中の巨大な塊はベイトかヨコエビだったりと、水中の様子を伺い知ることができます。また精神衛生上の理由が、トローラーを飽きさせないです。同じノーピクであってもモニターにへの字の密集や巨大なベイトの塊が突如現れた瞬間、期待感で胸一杯、眠気が吹っ飛びます。そういう士気高めるのにも役立っています。そういうことらを考えると通常の周波数は情報量の多い50キロヘルツとなります。レイクトローリング自体がそもそもThinkingな釣りであるため、この魚群探知機から発せられるインテリジェンスは、トローラーのイマジネーションを掻き立てるのです。このように魚群探知機はビワマスをダイレクトに探し出す道具ではありません。余談ですが、釣師朗が1985年ごろ初めて魚群探知機を手に入れたころ、師匠から「魚探買うとしばらく釣れなくなるから」と意味不明なこと言われました。その通りでした。理由は簡単、魚群探知機で魚を一生懸命探して見つけて釣ろうとしていたからです。魚群探知機とは水中の様子をイマジネイトするための道具であって、決して魚を見つけ出すとか追い回すための道具ではないてことです。このことが理解できれば、魚群探知機の購入はお勧めします。また一歩あなたをコアな世界に誘ってくれると思います。 |