ビワマス釣り 100+の疑問

レイクトローリング用語集




トロ用語

読み方


釣技旅団流用語説明


 ちょい速


ちょいはや



最もニュアンスをつかむのが難しい用語の一つ。GPSの無いアナログ時代にトローリングのキモである船速を表す表現としてよく使われた。そのトローラーの常用速度より感覚としてちょっと速いことをイメージしているが、そもそも他人の常用速度が分からないので、ちょい速の船速はもっと分からない、レイトロ界のバカの壁となっていた。相手のスタイルが分からないと、お互いが勝手に勘違いした珍問答になることもあるので注意が必要だ。


 半色


はんしょく



レッドコアの釣りでのタナは、通常水面下に何色出しているかで表現する。単位の1色は10ヤードであるが微妙なタナ取りを表すときは、もっと細かい単位を使う場合がある。例えば7.5色出していることを7色半とも言うが、7色で反応悪いから半色出したらヒットしたとか、微妙なタナのニュアンスを表すことができる。もっと細かくする場合は、半色ちょい出しとか三分の一色とか言うが、ここまで来ると本人しか分からないイマジネーションの世界。とにかくちょいが一番難しい。


 出し


だし



祭りで使う山車でも、味噌汁のだしでもない。こちらもタナ命のヒメトロの場合は色ではなく、通常はずばりPEの目盛りを言うことになる。水面から錘まで12メートルが浸かっている場合は、12メートル出しと表現する。ただし出し(数)が同じでも、使用している錘の号数や船速で仕掛けが同じタナを流れているとは限らないことに注意。通常は錘の号数を言った上で出し(数)を言う。「70号で12メートル出しで今日はよく獲れた」とか。またこの場合はデットスローが前提となっている。


 以浅/以深


いせん/いしん



水深を間違いなく表すときに使う。6メートル以上に魚影が濃かったと言われた場合、相手のレベルによっては、それは6メートルより浅い層なのか、それとも6メートルよりも深い層のことを言っているのか怪しい場合がある。そのような取り違いを防ぐために、それより浅いか深いかをはっきりさせるために使う。


 泳がせ釣り


およがせつり



生きた鰯やムロアジを鈎に付けてヒラメなどを狙う海釣りの一種であるが、レイクトローリングやヒメトロの場合では、あまりにも小物だと鈎に掛かっていることに気が付かず、いつのまに泳がせ釣りをしている状態を言う。中禅寺湖の場合だとレイクトラウトが外道で喰い付いてくる可能性が無くは無いが、他の湖では往々にして全くムダな時間を費やしてしまっていることになる。本人は釣りをしているつもりだが、実際にはいつのまにかにクルージングに摩り替えられている。15分に一回ぐらいは、仕掛けを上げることでかなり回避できる。


 ストーカー曳き


すとーかーびき



ここぞと言うポイントを、集中的に何度も曳き倒す流し方。魚探でいい群を発見した場合、その群を見失いしないように、GPSでマークするか大き目のウキかブイを投げ込んで、ストーカーの如くしつこく群に付きまとう方法。その目印を中心に外側に巻きながら広がっていく方法や、逆に目印を遠巻きにして巻きながら縮めていく方法、単純に前後縦横から直線で何度も行き来する方法などがある。ヒメトロでストーカー曳きが成功すると、立て続けに水揚げできることがある。


 面舵


おもぉ〜か〜じ



'もぉ'にアクセントを付けて発声するのが正統派で艦長の雰囲気が漂う。
独特の発音をするのは、波音や風音で船頭の指示が聞き取りにくくなる
のを防ぐためだと言われている。JRの車掌が何であんな裏声放送するの
かと同じだ。で意味は、舵を切って艦を右に偏針させること。面舵一杯は
艦の能力限界まで右に偏針させること。濃霧の中、岸寄りを流している時
に正面に立ち込んでいる人影を発見した場合、「正面に氷山、面舵一杯
ぃ!」と絶叫してすれすれで転舵すると、緊張感あふれるタイタニックの気
分が味わえる。


 取り舵


とぉ〜りか〜じ



'とぉ'にアクセントを付けて発声する。映画「ローレライ」で副長の柳葉もこう
発音していた。面舵の反対で艦を左に偏針させること。面舵・取り舵の用
語は、今では海上自衛隊と海上保安庁ぐらいしか使っていないらしい。日
本人船長の商船でも他は全て英語を使っている。ここでも美しき日本語が
廃れつつある。頑張れ、海自・海保!


 宜候


よ〜そろ〜



日本海軍の映画で最もお馴染みの用語。江戸時代あたりの宜しく候が訛
ったものらしい。因みに御座候(ござそうろう)はあんこたっぷりの今川焼き
のこと。進路・速度はそのままで宜しく候とちょんまげした船頭が言ってい
たのであろう。現代風に言い換えると、進路も速度もそのままでヨロシ
ク!。でマジな話、現状維持しろと言う意味だ。戦前は旧軍のパイロットも
使用しており、真珠湾で爆弾投下コースに乗ってから、投下手がよ〜そろ
〜とパイロットに指示を出していた。レイトロで水中島の頂点を狙う場合
は、魚探とGPSの計器類を睨みながら、よ〜そろ〜と進入して行く。英語
では「Steady Now」と言うが、感じが出ない。


 右舷
 左舷


うげん
さげん



船に乗って艦首に向かって右手側の船縁を右舷、左手側の船縁を左舷と
言う。が、正しくは'みぎげん'、'ひだりげん'と言うそうだ。しかしだ、釣師郎
も仕事で船内荷役の会議では、関係者一同'うげん'、'さげん'と言っている
ので、こちらで通している。なんでも宇宙戦艦ヤマトの大ヒットのお陰で素
人衆が使い出してから間違って定着してしまったようだ。「艦長、うげんよ
りガミラス艦隊接近中!」て訳だ。釣師郎はガンダム世代より前の正に
「ヤマトの諸君」「デスラー総統!?」の宇宙戦艦ヤマト世代だ。たしかにう
げんとかさげんとか言っていたな。しかしガンダムで四半世紀前だから歳
取ったよなぁ・・・。


 表


おもて



船首のこと。クルーザーなんかに乗っている人種はこんな玄人な日本語を
使わず、Bowとかのたまう。釣師郎の業界では、おもてととも以外には無
い。


 トモ


とも



転覆した時に一緒に道連れになってくれる同船者のこと・・・ではない。船
尾のことである。英語でSternと言うが魚探くっ付ける時によく聞くトランサ
ムとは微妙に異なる。トランサムは船尾板のことだ。


 出家


しゅっけ



ボウズのこと。そもそも魚が一匹も釣れていないことを何故に坊主と言うか
と言うと、頭に(髪の毛が)一本も無いことからが定説。ボウズなんて手垢
にまみれた言葉使うこと自体気に入らないが、素人にボウズだったんです
か?と言われると、さらにむかつくので'出家'を使っている。出家だと釣道
の精神修業に精進している高邁な姿勢が醸し出される。また釣りをしてい
る途中で一匹も釣れていない状態は、出家中とも言う。僚船の無線機から
「そちらどぉよ?」と訊かれたら「出家中ぢゃ}と返す。傍受しているよそ者に
は「シュッケチュージャ」とはドイツ語?となる。さらに口に出すのも腹が立
つ場合、僚船がすれ違いざまに「どぉ?」と訊いてきたら、左手の掌を胸の
前に立てて右手で木魚を叩く仕草をして無言で通過する。(ほぉ、出家して
修行中か・・・)と分かってくれる。


 ノーピク 


のーぴく



数ある精神修行、荒行の内で、最も苦難で危険な修行の一つ。特に夜明けから日没まで陸に上がらず航行距離50キロメートル以上でノーピクの荒行は、並みの精神の釣師だと人格障害・精神崩壊を引き起こし、場合によっては命にも関わる場合がある荒行を達成した釣師は、トロ阿闍梨(あじゃり)の称号が授けられ、修業半ばの釣師にトロ道の規範と心法の奥義を授けると言われている。竿先がぴくりともしない、かすりもしない「無」の状態を言う。

 ピンシャン

ぴんしゃん



魚体のどこにも欠損無く標本にしたくなるとほど完璧に美しい状態にある
魚のこと。人間で言ったら地方のミス納豆とかではなく、ミスユニバースの
決勝に出られ位のレベルか。ピンは鰭がピンとしているからだと思うが、シ
ャンはドイツ語の女性に対して使う「美しい(schon)」から来ている。つまり
美しい魚は湖の貴婦人てことだ。似た造語にヒレピンがあるが、鰭がピン
としている程度のセンスの低い単語。帽子にボンボンは付けていないが、
美しい女体じゃなかった魚体には貴族な言葉を使いたい。


 巻く


まく



レッドコアなどの仕掛けを曳きながら周回する。空中から見て円を描くよう
に流すこと。使い方は「大崎沖を丁寧に3回巻いたら遂に来たで」とか、「あ
の岬を八の字で巻く」とか使う。岬の沖で綺麗に八の字で巻けるようにな
ったら操船上級者だ。


 タナ


たな



釣り用語としては、あらゆる釣りで使われる最もポピュラーな言葉だが、水
深20m程度まで探るレイクトローラーにとっては、正に命の言葉だ。単純に
は魚が居る水深をタナと言うが、タナ命のトローラーは、喰い付いてくる活
性の高い魚が回遊している水深を、'当りダナ'として特に区別する。食い
気の無い魚がいくらたくさん群れているタナを流しても、ヒットにつながらな
いからだ。この喰わない魚のタナを、ハズレダナ、ガセダナ、見せダナ、出
家に誘うタナ、死を呼ぶ罠とか言って、ゆめゆめ騙されないようにしなくて
はならない。


 大名釣り


だいみょうづり



他人様に自宅まで迎いに来てもらって、釣り場では同船で操船してもらい
釣りをさせてもらい、お土産もらって自宅まで送ってもらう、取引先の役員
接待ゴルフみたいな贅沢な釣り。あまりにも楽チンなため、やり過ぎるとい
つまで経っても上手くならない。釣師として自制が必要な麻薬みたいな甘
美な釣行のこと。


 不毛地帯


ふもうちたい



「白い巨塔」「大地の子」で有名な山崎豊子の代表作の一つ。実在した陸
軍参謀のエリート軍人が、戦後不毛の大地シベリアで抑留されたのち帰
国して、総合商社に入社して商売の世界で不毛の大地を、また歩き続け
させられる辛い辛い人生の物語。魚探にも全く反応無くノーピク状態が続
くエリア、或いはそのエリアを曳き続ける辛い辛い釣りが続く状態を言う。


 生命反応


せいめいはんのう



ヒットして竿を手に取った時に、やたら引くのだが全く魚の感じがしない場
合に、「生命反応が無い」とか言う。大概の場合は流木やコンビニのビニ
ール袋などのゴミであるが、時には得体の知れないやたら重いのに、じっ
くりゆっくり浮かんでくる場合もあって、もしかして釣ってはいけない物を釣
ったか?と恐怖を感じる時もある。その場合はルアーをケチらずに仕掛け
を切った方が、後の人生を幸せに過ごせるはずである。


 死の彷徨


しのほうこう



八甲田山の雪中行軍訓練で陸軍の兵隊が大量遭難死した明治の大惨
事。真っ白な雪原の中猛吹雪で目標を見失い彷徨した後、次々と凍死し
たと言われている。魚が居る場所が分からず湖を当て所も無くさ迷い続け
て結果ボウズになることを言う。レイクトローリングでは少ないが、手漕ぎ
ボートのフライフィッシングなどでは、最初のエリアで釣れないと舞い上が
ってしまい、あっちだこっちだと節操なく移動を続けて自爆することがある。


 奉納


ほうのう



タックルや魚探などの高価な釣具を、誤って湖に落としてしまう致命的な
事故。湖の神様に大魚大漁と漁の安全を祈って奉納したと諦めるしかな
い。奉納したくない無信心なトローラーの場合は、釣竿に尻手を付けたり、
魚探のコードを舫や燃料パイプに絡めておくと奉納が防止できる。そもそも
落としてヤバイものは、コードを付けておくことが肝心だ。


 来てます


きてます



一世を風靡した超魔術のマリックの決めセリフ。明確なヒットには至ってい
ないが、魚がルアーを小突きながら付いて来ているため、竿先が微妙に
細かく挙動している状態。一般釣り用語で言うところの前アタリのこと。そ
の竿先に手のひらをかざして力を入れて「来てます」と言い、ハンドパワー
を込めると、瞬間にフッキングすると言われている。


 仙人


せんにん



現役を引退して家業を息子に継いだり或いは定年退職して、残りの人生
全てを釣道精進に捧げた求道の老釣師のこと。若い頃からも修行を続け
ているため、その腕は達人級であり、さらに磨きを掛けるため常人の域を
超えている。漁期のほとんどを釣り場で過ごし、釣り場・釣り方を知り尽く
した大先輩に敬意を称した呼び方でもある。もともとヘラブナ釣りや野鯉釣
りに仙人が多く、仙人はワンボックスカーやマイクロバスを改造した居住可
能な車で、全国の釣り場を何日も宿泊しながら渡り歩くそうだ。彼らはヘラ
仙人、鯉仙人と言われている。釣師郎も年末ジャンボ当ったたら、直ぐに
世捨てしてトロ仙人を目指そうと思っている。


 GPS


じーぴーえす



今でこそ携帯電話にもオマケで付いているぐらいだが、もともとは人工衛
星を用いた位置を把握する軍事技術だったものが、冷戦終結で民間にも
技術開放された。開放当初しばらくは軍事的理由から誤差を入れて、その
精度を落としていた時期があったが、今はそのような制約は無い。ただイ
ラク開戦直前に日本の上空に衛星が少なくなって位置把握が困難になっ
ていたとの実しやかな噂もあった。レイクトローリングでのGPS導入は、革
命的な進歩を促した。最初は濃霧の中無事に桟橋に帰投できる機能が重
宝されたが、速度表示ができることから、従来の曖昧な船速がずばりデジ
タルで表現できるようになったため、トローラー同士の情報交換が正確に
なったのが、最大の成果だと思う。


 心中


しんぢゅう



不甲斐ない釣果に陥り残り僅かの時間帯に、勝算も無く湖を走り回るので
はなく、どこか一つのポイントに絞って納竿の時間まで粘り倒す覚悟の戦
法。或いは一つのルアーを御神体のごとく信じて最期の時まで曳き倒すこ
と。「朝からやって1本のみ。もはやここに至っては葛篭尾で心中だ!」と
か「もうこうなったらビックミノーで心中だ!」とか使う。それでも釣れなかっ
た場合は、心中失敗、生き恥をさらすと言う。


 拾い釣り


ひろいつり



自信の有るポイントや有名ポイントを巡回しながら、釣果を上げていく見切
り移動の戦法。最初のポイントで入れ食い、次のポイントでも入れ食いとい
う惑星グランドクロスは通常なく、そもそも最初のポイントで入れ食いした
ら、よほど強欲釣師でない限り拾い釣りする必要がない。一つのポイント
で釣れるが後が続かず、次のポイントでまた少し釣って、そして次のポイン
トへ移動して数を積み上げていく。一日飽きない程度に湖全体で釣れてい
ると言われるコンディションが、拾い釣りになることが多い。


 タコ


たこ



思うに人類史上最強のルアーであるタコベイトのこと。海の小物から湖の
ヒメマス、果てはカジキ・マグロまで釣ってしまう驚異の万能ルアー。スプ
ーンやミノーのように自らアクションするルアーではないため、ドジャーやデ
ビルに接続して使う。タコに入れる鈎の仕掛けや加工に秘伝があるとされ
ている。北海道ではスプーンの下にタコベイトを付けて、さらに秋刀魚の切
り身を付ける念の入れようだ。ヒットカラーはピンクが定番中の定番。或い
は人が使っていない美意識が疑われるようなカラーも良いと言われてい
る。


 カグラ


かぐら



女の子の名前ではない。タコベイトの頭に付ける貝や角などで成形された
砲弾型のビーズヘッドのような物。凝る人は赤牛の角から作ったカグラと
か、白蝶貝削り出しのカグラとかを使うが、J屋で1袋10個入り300円ちょ
っとの正体不明の貝のカグラで十分。しかしカジキのトローリングで使われ
るカグラは、貝や角を張り合わせたり合成樹脂から作られたかなり工作度
の高い大型のカグラが使われ、一個何千円から何万円もする高価な漁具
である。


 アオ


あお



国の特別天然記念物のニホンカモシカのことで、別名アオシンとも呼ばれ
ることからアオとも言う。鹿かと思っていたが実は牛の仲間であり、そのた
めか肉の味は美味であったと伝えられている。昔銀山湖で急斜面を歩くカ
モシカを見てびっくりしたことがある。アオの角は大昔からカツオ釣りの漁
師に必須の材料として重宝された。その威力は断トツで、釣れるシノだと
水に吊るしているだけで魚が寄って来たと言われている。手に入れたいの
やまやまだが、御禁制の品となってはそれも困難。


 当りツノ


あたりつの



明らかによく釣れるツノスプーンのことで、まさに買って当りだった一級品
のツノ。レイクトローリングにおけるツノスプーンの威力は有名であるが、赤
牛、水牛、羊などの角の種類による違い以外にも、素材その物の人間様
には分からない微妙な違いが、魚からはよく違いが分かるようで、釣れる
釣れないに大きな差が出る。同じメーカーの同じブランドでも釣果に違いが
あって、釣具店で購入する時は一種のくじ引きになってしまう。ツノだから
釣れるのではなくて、ツノには滅茶苦茶釣れる物があるが、釣れないツノ
つまり外れツノだと貝スプーンの方がよく釣れると思っていた方が、散財し
なく無難である。当りツノを持っていないのが釣師郎の欠点。


 テレフォンヒット


テレホンヒット



釣れていない時に電話が掛かってきた瞬間にヒットする不思議な現象。意
外にこの経験をしている釣師は多いようだ。電話が掛かってくると電磁波
なのかパルス波なのかは知らないが、何かの科学的根拠があるのかどう
かも全く不明。大抵の釣師は幸運な偶然としか認識しないが、偶然を必然
とする「ワン切り釣法」の裏技もある。しかしあまり多用すると友達を失くす
ので使用は要注意だ。


 への字


へのじ



マニュアルモードの魚探に映る魚影が、への字に見えることからこう言う。
振動子から発射されている超音波の円錐の斜辺から振動子の真下まで
の距離の違いより、魚が円錐に入って出て行くことでへの字を描く。への
字の右側が右斜め下に長い髭のように伸びている場合は、ボートの真下
になって驚いた魚が急速潜行したことを表す。この場合は魚が上に神経
質になっているか、タナそのものが浅過ぎてエンジン音など刺激が強いた
め、結果ボートで魚を散らしながら走っている。ボートの真下を釣るヒメトロ
には厳しい状況となるが、仕掛けがボートから遠いレッドコアの方が分が
よくなる。また深いところのへの字ほど大きく映る性質があるので、湖底に
張り付く巨大への字が即巨大魚だ!とはならないので注意。しかしそう信
じている方がずっと楽しいのも事実。それと横一列に点線のように並ぶへ
の字は魚が行進しているのではなく水温躍層の境目に漂うゴミの場合が
多分多いと思う。


 鳳来


ほうらい



釣り場近くの中華料理屋とかラーメン屋の名前ではない。愛知県の鳳来
養殖場で発見された突然変異の無班のニジマス。要するにニジマス特有
の黒い点々が無いさっぱりしたニジマス。知識が無いと初めて釣った時に
これは何?と悩んでしまう魚でもある。たまに芦ノ湖でも釣れるが、個人的
には美味いと思うのでお持ち帰りしている。


 アクセル合わせ


あくせるあわせ



ヒット同時にスロットル全開でボートをダッシュさせて、魚の硬い顎に確実
にフッキングさせる高度な技。レイクトローリングは竿を手に持たない釣り
であることから、一般に向こう合わせの釣りと思われている。またそれはレ
ッドコアライン自体が重たいため手で合わせなくても勝手に掛ってしまうと
信じられている。確かに30センチ程度の小物であればそれで十分だが、
大物や天然魚が対象の場合はフッキングがあなた任せだと、掛かりが浅
くてファイト中にばれてしまうことが実に多い。そのため硬い顎をぶち抜くた
めに、ヒット同時にグワァァァンと加速してフッキングさせるアワセのテクニ
ックである。さらに大型相手の戦いなると、グワァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァンと20メートルほどダッシュして力ずくでフッキングさせる。その加速の
激しさからロケット合わせとも言われる。大間のマグロ漁もヒットすると全
開となるため黒煙が上がる。それを見た周囲の漁師は他船のヒットを知る
ように、湖上で突然爆音とともにダッシュした船は、今ヒットしたと知ること
ができる。


 キャッチ前リリース


きゃっちまえ
りりーす



手元でバラしてしまった自分の下手さ加減を誤魔化す常套句。 苦労して
ゲリラ放流したのに釣って持って帰られたら商売にならんやろ!が本音の
欺瞞のキャッチアンドリリースからもじられたフレーズとも言われる。 もと
もとフックを外す際に魚体に触れると魚体を傷めるからと言って、魚を水か
ら揚げずにフックだけをつまんで外す作法(テクニック)でもあるが、キャッ
チ前リリースとはフックに触れることすらもしないで、魚をリリースする究極
のテクニックである。 雑誌から抜け出してきたような格好をして、「魚体へ
のダメージを最小限にした・・・」とかしたり顔で言うと効果高い。 なお10
色の彼方でバラした時には、キャッチ前リリースを使うことは困難であるば
かりか、恥をかくので注意が必要である。


 追いアワセ


おいあわせ



一般的には、キャスティングの釣りにおいて、最初のヒットでいつものとおりアワセを入れた瞬間、「うっ、浅い!」と瞬時に感じて間髪入れずに、そこからアワセをもう一回鋭く小さく重ね入れる高等技。またファイトの途中でガンガンと2、3回アワセを入れることも追いアワセと言うが、これは海の青物などのハイスピード・ハイパワーな魚が対象の場合に限られる。手持ち竿のヒット程度ではあの硬い顎を一発で打ち抜けないことが多い場合や、細長い大型ジグのボディを咥えて猛進する青物の顎を、咥えているジグを力づくで滑らせて、ごついフックを改めて突き刺す必要がある場合ぐらいである。レイクトローリングでも手に持って追いアワセをするのが見受けられるが、効果は本人が思っているほどには無い。仕掛け自体の伸びや竿のしなりを考えると途中で吸収されている。それよりも大アワセした後不用意に竿先をびよんと前に戻すと、ラインスラッグが大きくできることの方が問題である。したがって追いアワセのリスクを取るよりは、ラインを決してたるませずにじりじりと慎重に巻き上げていく方が、じりじりとフックが刺さっていき鈎穴も広がらないのでGoodと考える。


 大アワセ


おおあわせ



ヒットした瞬間、ヤバイ!と舞い上がってどっかぁ〜んと万歳する様な大袈裟なアワセを言う。大アワセが成功するのは、かつての某釣り番組の中の話であって、現実的には自ら回収不能に陥る地球ヒット(根掛り)、一生に一度遭うか遭わないかの大物ヒット、完全に飲み込まれた場合くらいであり、大概は失敗する。ただしその釣りによっては、例えばテキサスリグでの大ワームをしっかり飲ませて大アワセや、石鯛釣りの三段引き(チョン、クン、ズドン)に大アワセは、正当なアワセ技としては存在するが、レイクトローリングではその必然性は無いに等しい。ただパフォーマンスとしては有効で、すれ違い際の僚船にこれ見よがしに大アワセをすると、釣れない暇な時にはそのリアクションを見て楽しむ手慰みとして使える。空の大アワセをして竿先を上空で2秒ほど留めてポンピングを繰り返すとリアリティが増してなお良い。


 前アタリ


まえあたり



魚がルアーにがぶっとバイトしてフッキングには至っていないが、つんつんつんと思わせぶりにルアーを小突きながら追って来て、竿先がゆらゆらつんつんと微妙に揺れているもどかしい状態。偶にラパラF13クラスの小ヒメやウグイがフッキングしている場合もあるので見極めが重要だ。一瞬スピードを落として喰わせるタイミングを作ってやって、すぅぅぅっと加速すると追い喰いしてヒットすることが多い。ヒットしないで何事もなければハズレであるが、何故か間髪入れずにまた前アタリに戻っている場合は、あっ、まだ追って来ている!と思うより、リールを巻いた方が、無駄な時間を過ごさずには宜しいだろう。


 マンマーク


まんまーく



イーグルの魚探でオートモードに設定しておくと、魚影に対してフッィシュマークがディスプレイに表示されるが、湖底に沈む水死体には人型のマークが表示されると言う実しやかな都市伝説。イーグルの取扱い説明書に、高性能な魚探であることから現場の水域で行方不明者が出た場合は、行方不明者の捜索に協力してもらいたい旨のことが記載されている。その場合の湖底に沈む水死体の反応は、湖底の一部分がきれいに切り取って上方にずらした様な不自然な黒いパターンとして容易に識別できるとある。このことからマニュアルモードのへの字がプログラミングで魚のマークになる様に、切り取られた部分は人型のマークに表示される秘密のプログラミングがされているのではないか?となったのが話の発端のようだ。もちろんウソだと思っているが、釣師朗は気持ち悪いので某湖ではマニュアルモードで通している。


 ラパラ


らぱら



説明不要の世界共通の逸品ミノー。現在日本の数あるハンドメイド・ミノーの黎明期は、このラパラをコピー或いは解体するところから始まった。まさに日本ルアー界の「ターヘルアナトミア(解体新書)」に匹敵する歴史的存在である。今でこそ並行輸入で安価になったが、当時は貸しボート代とラパラ1本はほぼ同じ金額だったため、解体のメスを持つ手が震えたそうだ。伝説は数知れずのルアーであり、バス釣りですらラパラでしか釣れないコンディションがあるとも言わしめている。バラエティーの一つであるCD5青銀は生餌とも言われるぐらいの釣力がある。最近のレイクトローリングで余り使われなくなったが、知らないうちに超小物が釣れていた場合の照れ隠しに、「ツノがいつの間にかにラパラF13に替わっていた」とか使う。尚裏の意味で「ラパラF13金黒」は「フラットフィッシュ」を指す隠語的な使われ方をする一部地域がある。


 補償深度


ほしょうしんど



水中において光合成が行われるのに最低の光量が有る水深を意味する
陸水学の用語。補償深度は透明度と密接な関係があって、経験的に透明
度の2.1倍から2.5倍に等しいとされている。それは植物プランクトンが
浮遊するぎりぎりの深さであり、それを求めて小魚が集まる水深でもあ
る。水温躍層が成層される時期は、補償深度は躍層の下側境に近いとも
言われており、タナを探す目安の一つとなる。ただし時間帯や天候によっ
て太陽光の強さが変わることから、補償深度も刻々と変わることは言うま
でもない。


 ターンオーバー


たーんおーばー



水温と比重の関係で上下の水層がひっくり返る自然現象であり、日本語では「垂直循環」と言う。関東の湖では春秋の2回、琵琶湖は春1回この現象が起こる。季節の移り変わりに起因することが一般的であるが、浅い湾に冷たい雨が大量に降った場合などには、局地的にターンオーバーが発生することがある。湖底或いは深水層の低酸素や汚れた水質の水塊が浮上してくることから、釣果が遠のくことが多い。見た目の水質がいつもより悪いとか泡が立っているとかスクリューの航跡が消えにくい場合は、そのエリアでターンオーバーが発生している可能性が高い。ただしインレットの下流に水中島が在る場合は、湖流が水中島に衝突することで水流が舞い上がっているポイントがあるが、これはターンオーバーとは異なる地形的な現象であり、好ポイントであることが多い。


 チンドン屋効果


ちんどんやこうか



今の若い衆は見たことないかもしれないが、釣師朗が子どもの頃はまだ結構商店街とかで、ちゃ〜らちゃららちゃ〜ら♪と時代劇の格好をした四五人のど派手な集団が練り歩いていた。子どもの釣師郎たちなんか何だ何だとその珍しさに集まって一緒についていったもんだ。この強烈な集群効果を喩えてドジャーやフラッシャー、ヒメペラ等の光りモノで水中で得られる高い集魚効果をいう。ここまでは誰でも分かる話であるが、釣果アップの秘訣はこのチンドン屋効果をいかに水中で持続させるかてことである。ドジャー2本出しのレッドコア船では、片方がヒットした際にお祭り防止で掛かっていないもう一方を巻き取ることはよくされていることだが、このチンドン屋効果だけで見れば自らチンドン屋を解散させて、後ろから何だ何だとついて来ているお客さんたちを帰していると同じである。取り込み中であれもう片方もヒットしたぁて追いかけダブルヒットがよくあると思うが、これがチンドン屋効果が大きな要因とされている。ファイとしている魚がドジャーを激しく振り回してさらに効果倍増、これに触発されて他の魚がヒットしてくると思われる。可能な限りドジャー等の光りモノは水中に留めていた方が望ましい。ただしドジャー仕掛け同士のお祭りは悲惨だけどね。