ビワマス釣り 100+の疑問

銀メッキのヒメペラの作り方




嗚呼 門外不出/中禅寺流古式ヒメペラ仕掛け





ヒメペラの究極の素材は昔から純銀板、つまり銀無垢ペラと語り継がれてきた。 その純銀の輝きが、ぴかぴかのクロームニッケルメッキでは出せない深みのある輝きが良いのか、あるいは比重の重さがゆっくりとした最高の回転速度を生み出すからなのか、何れが正しい理由なのかは分からないが、唯一いえるのは純銀板切り抜きのヒメペラはコストがかかりすぎるのである。 低価格にして量産可能。 純銀ペラに遜色ない銀メッキペラの開発が始まったのである。
(ヒメペラ復活製作委員会)

追記
レイクトローリングの先進国であるアメリカのサイトに、究極の金属ルアー素材として"GENUINE SILVER PLATE"が紹介されている。 海の向こうでも純銀の威力は高く評価されている。 魚から見て純銀の輝きはニッケルやクロームメッキの比ではない。 純銀はあらゆる光環境や水深の条件下で、最も単純に光を高反射する。 それはベイトフィッシュのようにと言われている。





銅版から切り出されたペラ
 銀ペラ製作のための材料

 最初から純銀板が買える身分であれば苦労しないのだ
が・・・で始まったこの企画。

 安価な金属で加工しやすく銀の比重に近くて、ここが肝
心の銀メッキができる素材として、今回は「銅」を使ってみ
ることにした。 銅以外だと真鍮や青銅が銀メッキ可能だ
けれど、鉛やステンレスはダメである。

   銀    比重   10.5
   銅    比重    8.9
   真鍮   比重      8.5

 製品によっては銅版の裏側にビニールシートが貼り付け
られているときがあるので、必ずはがしておこう。 シート
の上からでは銀メッキは不可能であるから。
匠之技 其之壱




コンパウンドで磨かれた地金のペラ
 銀ペラの下地磨き

 メッキは磨きが命。 コンパウンドでできるだけツルツル
に磨いてみた。

 コンパウンドは自動車用品コーナーで入手した鏡面仕
上げ用の極細タイプだ。
匠之技 其之弐




超音波洗浄器でペラを洗浄
 ペラの洗浄

 メッキに油分は大敵。 中性洗剤で洗って、たまたまた
家にあったメガネ洗浄器の超音波で洗浄してみました。

 重曹を手にまぶして磨く方法もあるそうだ。 年の瀬の
大掃除には窓ガラスをこの手ごね重曹で磨くとピカピカに
鳴るそうだ。

メッキ加工の本なんかを読むと、酸洗いといった希硫酸洗
浄があるが、これは溶接の際に炎で酸化膜ができてしま
った場合、この幕を落とさないとメッキできないことから、
薬品でこれを落とすことが目的である。

 しかし今回の銀ペラ製作では、炎は使用しないため酸
洗いはしなかった。 そもそも家の中で希硫酸なんか使っ
たら殺されてしまう。
匠之技 其之参




脱脂に使うコールマンのホワイトガソリン
 ペラの脱脂

 油分を完全に取り除くためにオートキャンプでおなじみ
のコールマンのホワイトガソリンで止めの脱脂を行う。

 まさかこんなところで去年使い残したランタン用の燃料
が役に立つとは思わなかったね。

匠之技 其之四




脱脂されたペラ
 ペラを拭き取る

 ホワイトガソリンをウェスに染み込ませて地金の銅ペラを
一枚一枚拭き取りをする。

 作業中は火気厳禁で咥えタバコなぞしないように。 ま
た換気にも十分注意することだ。
匠之技 其之伍





 魔法のつけダレ

 この銀色の小瓶に入った液体が、今回の錬金術の肝で
ある。

 なんと電気を使用した大掛かりなメッキ方法ではなく、
ただ地金に塗るだけで銀メッキができてしまうといった魔
法の液なのである。

 渋谷ハンズで入手した。
匠之技 其之六







 銀メッキ液を塗る

 魔法の小瓶をよく振って中身を撹拌してから、むかし図
画工作の授業で使った絵の具のヒラ筆を使って、地金に
銀メッキ液を塗る。

 写真では分かりにくかもしれないが、塗ったと同時に化
学反応が生じて見た目凄く汚い色に錆びたようになる。
匠之技 其之七





 重ね塗り

 万遍なく塗ったら数秒おいて銀メッキ液を地金になじま
せてから、バケツに溜めていた水でざっとペラを洗う。

 汚く錆びたペラをウェスで拭き取り磨くとあら不思議、美
しい銀メッキが薄くできているではないか!

 筆を水で洗い直してから銀メッキ液をつけて、二回目の
重ね塗りを行う。 相変わらず銀メッキ液を塗ると腐ったよ
うに錆びる。

匠之技 其之八





 さらに重ね塗り

 銀メッキ液を塗って水洗いをしてウェスで拭き取り磨く工
程を3回から5回繰り返すと、しっかりと銀メッキが厚みを
増して仕上がっていく。
匠之技 其之九





 銀メッキペラの完成


 写真ではデジカメの露出の関係で上手く撮影できてい
ないが、銀製食器のように美しい銀ぴかの輝きとなった。

 ここからは普通のヒメペラの製作方法と同じである。 ピ
アノ線にクランプを通して、くりくりとねじって・・・といつも
のように続く。

 銀ペラはいつもピカピカにメンテナンスして、使用する必
要はない。くすんだりシミができていた方が、それが微妙
なパターンなのか、よく釣れたりすることが少なくない。

偶然の産物でアタリ銀ペラとなったセットは、現状維持で
大事に使うといい。これをペラを育てるとか、ヒメ神様が降
臨したとかいう。
 
匠之技 其之拾







この銀メッキの逆S字の特製ヒメペラに勝る市販のヒメペラは無い!!と信じている。これに獲ってなんぼの3本鈎のタコベイト仕掛けを、ミニドジャーと併せてヒメペラと装着して使用したら、もう無敵だったと思っている。



この組み合わせだとほぼ芦ノ湖で、定数はお昼には楽勝だったね。